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人気ホームページへの道 人気ホームページ作者のインタビュー
 第13回      日本の伝統的衣装ふんどし  褌が世界とつながっちゃう
越中文俊さん
越中文俊 さん

褌へのこだわりや雑学を語るサイト 「日本の伝統的衣装ふんどし」を運営。

日本の伝統的衣装ふんどし
INTERVIEW カリスマ
 

カリスマ君    
■ホームページを開設したきっかけを教えてください。

ホームページは、鉄道と旅の自分のオフィシャルなページを立ち上げたのが最初です。
褌(ふんどし)は別に眼中になかったというか、そういうのがあればいいなという感じだったんですが、その矢先、マスコミで褌というものに対してすごい偏見というか、褌という言葉を使わなくなってきたんですよ。代わりに下帯とか締め込みとか。お祭りやお相撲に使う分にはいいんですけど、普通の人が使う越中褌まで下帯といったり、褌という言葉を意識的に使わなくなっていったんですよね。そこで、おかしいぞ、と思って初めて簡単なホームページを作ったんですね。
でも後で「褌」で検索するとアダルトサイトばっかりなんですよ。それでこれはちょっとまずいと思ってね。アダルトとは一線を引くかたちで立ち上げました。そういう人も見に来てくれるのは否定できませんが、ポリシーだけは守ろうと。まずは褌に対する偏見をなくすということ、こんなにいいものだということを言ってましたら、楽になったとか、気軽になったというメールが来るようになりましたね。
最初に立ち上げたのは平成11年の2月だったと思います。ページ数もなかったんですけど、仕事であちこち行くついでに取材するようになって、ページが増えていきましたね。

 

 
   
■インターネット歴はどれくらいですか?

まだ3年経ってないです。僕は50を過ぎてこの年になるまで、携帯電話とパソコンは絶対拒否してましたから。原稿はワープロで全部打ってたんですけど、パソコンは(ワープロと違って)頭脳があるので、あんなのにこき使われてたまるかと変なこだわりで思ってました。でも校正があがってくると紙でなくて銀色の円盤であがってくるんですよ。CD-ROMを見るためにパソコンが必要になって買ったわけです。ヨドバシカメラに行って「高倉健のパソコンくれ」って言ってね(笑)四苦八苦しました。
僕はインターネットやってても他のページほとんど見ないですね。
サイバーバンクやり始めたのと飛行機の予約は最近やりましたけど。

 
 
    
■サイト作りで心がけていることを教えてください。

- デザイン面で

僕のホームページのコンセプトっていうのは雑誌なんです。基本は本を書いてるって感覚でやっているんです。余計な飾り文字とかアニメーションとか音楽とかは大嫌いなんで、シンプルに。ムックという感覚ですね。「サライ」とか昔の「太陽」とか、ああいうのをインターネットでできないかな、と。

- ナビゲーション面で

あまり気を使ってないんですよ(笑)。目次、コンテンツだけしっかりしていればいいと思って。よく新聞で「関連記事は何面」っていうのがありますが、ああいう感覚で関連するところがあったら飛ぶようにしたりしてますね。

- エンターテイメント面で

ホームページは自分の自己主張の場所だと僕は思っています。企業だったら、自分の企業を宣伝したりいろんな情報を提供するけど、個人のページは公序良俗とかのルールに反しなければ自分のやりたいことをやればいいと思います。
あまり見に来る人を意識しちゃうと、今度は自分の意志が伝わらなくて八方美人的なページになっちゃうんですね。それは雑誌や印刷物にも言えることなんで、それだけはかたくなに守ってます。これは自分の気ままなホームページだから、人が何と言っても私はこう思ってるんだよ、というのを明確にしています。褌の起源ひとつとっても諸説いろいろあるわけですが、僕が調べた範囲ではこうだということで。政治家の公式発表みたいに(八方美人に)なっては困るので。

 
    
■サイト作りの道具は?使用ソフトなど教えてください。

IBMのホームページビルダーです。
 
 
    
■ホームページを作成する時間は?

夜の10時くらいに始めます。日記だけならものの15分くらいでやってしまいます。
取材に行っても夜は暇になるので、現場でとった写真をその日の夜にフロッピーに入れちゃいます。ホームページにアップする分を別に編集して。そこまでやっちゃうと後は簡単ですよね。

- 更新頻度は?

毎日ですね。日記を書いてみたんですよ。1ヶ月でやめようと思ったんですが、面白い、励みになるというメールがきて、やめられなくなりました。今はダントツに人気がありますね。なるべく写真も入れて絵日記風にしてます。旅にもノート(パソコン)もっていきますから、旅先で更新もして。

- 日記以外のコーナーはどういう頻度で更新されるんですか?

旅や取材に行って、面白いと思うことがあるとすぐ更新するんですよ。こういうのがあった!と思うとすぐ更新するので、いつ更新するかはわからないですね。


 
  
■ホームページをやっていて一番楽しかったことを教えてください。

あちこちから来るメールがすごく面白いですね。
今までじーっとしていたわけですよ、その人たちは。
褌をしているのは俺だけかな、と思っていた人が、このページを読んで自信がついた、とかメールをくれたりね。会社の社員旅行で温泉に行くんだけど、褌は格好悪いからパンツにする、とか、そういう人が僕の日記を読んだりして、他の人がこういう生活をしているのがわかって勇気付けられるわけですよ。何も褌していることで勇気付ける必要はないんだけれども(笑)。

インターネットと印刷物の反応は、また全然違いますね。朝日新聞に出たときは、意外にも来た手紙は50過ぎから60くらいのご婦人が多かったですね。父を思い出す、とか。戦争中にシベリアに抑留された時、ロシア軍の女性将校が褌を見て黒パンと取り替えた話とかね。インターネットでは、ほとんど男性で、30代からお年寄りの方が多いですね。このホームページ見たさにパソコン買った人とか。インターネットカフェで全部プリントアウトしたとか、そういう方がいますね。

    
■ホームページをやっていて苦労すること、困ったことを教えてください。

今のところないですね。
インターネットという不特定多数を相手にしているじゃないですか。最初は褌のページはアダルトサイトとか多いし、懸念してたんですね。必ず揚げ足をとる人がいるかと気にしてたんですが、それが一切ないんですよ。自分のポリシーを書いているというのと、自分を明らかにしているからかと思うんですが。本も書いているし、顔写真も出しているし。そういう意味ではふっきれたというか。悪いことしているわけじゃないですし、オープンにしています。だいたいどこでもトラブルはあるみたいなんですが、そういうのがないのでラッキーですね。

- 著作権にも気を遣われてますね。

資料館の写真とかも、了解をもらって、出所を必ず出しているんですよ。写真一枚一枚に。僕はこういう仕事(著述業)やっているから特に著作権というのは慎重にならざるを得ないんで。
特にインターネットではダウンロードされたら自由に使えますからね。僕の写真なんかはわざと解像度を悪くしてボケボケにしているんですよ。ダウンロードしてもプリントアウトしてもわけがわからなくなるくらいにね。

 
    
■今後の活動予定を教えてください。

秋までに2冊、昭和40〜50年の国鉄の写真エッセイの本を作ります。あと鉄道の絵本を出しています。今も駅で写真一枚撮ってきたんですけどね。(デジカメの写真を見せていただく)

褌のページは現状維持ですね。こっちは趣味ですから。
(ホームページの会員と)年に何回か集まって飲むんですよ。「越中」という富山の店に集まって新年会とかしました。(飲み会の)予定をホームページに上げておくと、北海道からわざわざ一杯飲むために来たりするんですね。けっこう熱心な人がいるんですよ。この前も「お湯かけ祭り」の参加希望を募ったら、二日でいっぱいになっちゃった。会費もとったんですけど、20人もきましたね。年に一回の集まりは恒例です。時々その「越中」で飲んだり、関西で忘年会をやったりもします。

- 初めて参加する方もいらっしゃるんですか?
常連さんもいますし、初めての人もいます。九州や北海道から来たり。
初めてパソコン触ったって言う70いくつのおじいさんも。

(褌好きの人は)結構インテリの人が多いんですよ。新聞雑誌などのマスコミ人とか。会ってみると我々でいう業界の人が多くて驚いちゃいますね。お役人とか。FMのパーソナリティとか。そういう人たちが情報を送ってくるんですよ。「東北地方の褌事情」とか。

- すごく広がってますね。
広がってるんですよ。非常にいい広がり方をしてますね。


 
 

  
■これからHPを作る人へのアドバイスをお願いします。

見てくれであまり人を意識しない方がいいと思うんですよね。
自己主張をしてみてそれで見に来てくれなければしょうがないんで。
商売の人ならそこでPRすればいいし。自己主張も自分のPRみたいなもんなんで。
自分が伝えたいものを最大限に、それもストレートに伝えればいいと思うんですよね。

それと見やすいページにすることが一番ですね。とにかくトップページが何秒かでパッと見られるものでないと僕はもう見る気がしないしね。
ホームページを見ているだけでその人の人柄がわかっちゃうんですね。ぎらぎら飾ってたり、やたらデザインに凝ってたりね。基本的には自分が目で見るわけだから、見やすく。

著作権とプライバシーには気をつけてます。写真も僕以外はぼかしてますし。いいですよ、と言っていただける方は最近出してますけど。

褌のサイトはアダルトサイトが多くて。某小説家以来そういうのが定着しちゃってますからね。褌をしている人はみんな右翼じゃないか、といわれたりね。みんなそれを意識しちゃってるから、正当な褌のサイトって表に出てこないんですよね。
僕らにすれば、褌というのは一番気に入っている下着であると。たかが下着じゃないか、という感覚があるんですよ。なにも大義名分があってそんなことやっているわけじゃない。もともとはそれが大衆的な日本の下着である、ということがあるんですよ。
 

 
FOLLOW UP QUESTION

 
■英語版のページも作られてますが、やはり海外からの問い合わせも多いんですか?

ええ、つたない英語でページをあげたら、海外からもけっこう反応があるんですよ。

- 外国の人はチャンバラとか時代劇に興味のある人が多いんでしょうか?

それはないですね。 マレーシアの人で、大学の課程で南方の下着(褌)を研究しているという人からメールが来たんですが、その人のページをみたらすごいんですよ。あれだけ学術的にやっている人はいないですね。褌がそこまで世界とつながっちゃうというのはすごいですよ。
 

   
■褌を買いたいんですけど、という問い合わせも?

多いですね。インターネットでも買えますし、デパートや衣料品屋さんでも買えます。 今静かに浸透してきているのは介護用品なんですよ。大きい病院の売店に行くと売ってます。T字帯っていうんですけどね。

- T字帯は褌とどう違うんですか?

使い捨てなんですよ。生地も安い。僕が褌を始めたのもそれがきっかけなんですよ。

 

     
■褌を締めると背筋がのびたようになって姿勢が良くなるような感じがする、との記述を読んだことがあるのですが、それは六尺をしめるときに感じられるのでしょうか?実際褌を締めている方は姿勢がいいのでしょうか?

僕は六尺はあまりしないです。六尺褌は泳ぐときや相撲を取るときに儀礼用に使うもんだと思ってるの。江戸時代の労働者はみんな六尺だったけど、今の時代にはちょっと合わないかなって気がするの。

ハワイに行ったときは褌で泳いだけどね。年に何回か外国に行って食事するとき、ネクタイが嫌いなので着物で行くんです。それで着物に褌していると、あ、日本人ってこんなものかな、と実感するのね。
六尺褌着て精神統一、とかそういうのはそんなに好きじゃない。日常的、ごく自然体なんですよ。だから姿勢がよくなるとかは意識しないね。でも外国に行ったときにはそういうふうに「日本人」をすごく意識しますね。
 

 
 

     
■越中褌の締め方をみるかぎりでは、紐をどうきつく結んでも、ゆるんできそうに思うのですが、そんなことはないのでしょうか?

それはないね。ただあれは慣れないとだめなんです。自分にあった締め方がだんだんわかってくるんです。自分はおなかが出ているからこのくらいで締めればいいかな、とか。案ずるより生むが易しです。確かにズボンでやっているとずれてくるんですが、それも慣れれば大丈夫です。ただ、ジーンズにはちょっと合わないかもしれないな。
これから夏になると浴衣とかありますけど、浴衣は絶対に褌じゃないとダメだね。最近の若い人の着物の着方はひどい。帯はバカボンみたいな締め方だし。へその上じゃなくてへその下でぎゅっと絞めないとダメなんだよね。それと浴衣に足袋を履いている人もおかしい。今はある程度許されているけど、本当のお洒落は浴衣に裸足。その方がよっぽど色気があるし、粋なんですよ。

- ホームページを見ていると粋って言葉が多いですね。

うん。着物を着るっていう人は、やっぱりどこかで目立ちたいところがあるんですよ。
ただ、その「粋」を間違えるとコスプレになっちゃうんですよ。

- ここでコスプレという言葉が出るとは(笑)

若い人が着物着るのはいいけど、そういう(粋を解しない)人とは一緒に着たくないな。
 

 
       
■褌の色には何か決まりがあるんですか?

ないですよ。普通白ですけど。好みでピンクとかでもいいし(笑)。
でもやっぱり白が一番。あと赤。学習院で泳ぐときはみんな褌は赤でしょ。

昔の浮世絵とか見ていると白、赤。ウコン色や紺色もあります。
それはもう街の人のお洒落着ですよ。褌一丁で街を歩けた時代は見せてたんですよ。お洒落ですね。助六の赤褌なんかは見せる褌の極地ですね。
あとは柄褌なんかもあるけどね。坂本竜馬が書いてあったりね。

- 紺色だったらしてもいいかな、という気が。

うーん、白が一番無難。例えば温泉に行ってパッと裸になるじゃない。色物は目立つんだよね。そこでお洒落だね、という人と何だろうって人がいるし。白なら違和感がないから。やっぱり初心者は白がいいね。


 
PROFILE
 
■好きな言葉

遊び心。仕事を一生懸命やっているのもいいけどね。どこかに遊び心があると。適当な仕事と遊び心の比率を持ちなさいってネ。この仕事やってきて…54年間の結論かもしれないな。何らかの遊び心。ホームページでもいいし。好きなことに力入れろっていうのかな。

 
 
■好きなサイトは?

特に思いつかないなあ。
個人の人は素材がないからホームページが作りにくいですよね。資料や写真が著作権の問題で入れられないから。物によってそういうのはある程度フリー(無料ってわけじゃなくて)にしたらいいと思いますね。著作権料が2万円かかるところを5千円にするとか。但し著作権マークは入れるようにするとかね。そうすると個人の人でも、もっと面白いページが作れるようになると思いますね。

 
 

 
■越中さんは何枚ぐらい褌をもっていらっしゃるのですか?

僕が持っているのはそんなに多くないですよ。普段使っているのは5、6枚ですね。
資料用に使っているのはけっこうありますけど。

地方や人によって(褌は)全然ちがうの。着る人によってここはこうじゃなきゃいけないっていうのがあるんですよ。そういうひとりひとりのこだわりが面白いの。
高知県の赤岡ってところで、絵金っていう芝居絵を書いていた絵師がいるんだけど、その人はマイナーだけどすごく評価されているんです。町興しに燃えるおばさんが、パワーアップ褌っていうのを作ったんですが、どうせなら絵金の絵で褌つくんなさいよって僕が言ったら、その場ですぐプリントして2、3枚作ってくれましたよ。各地に繊維の産地があってけっこう町興しでそういう褌を作ってるんですよ。
すぐ(資料用の褌が)何百枚になっちゃうんだけど、じゃんけんで人にあげたりしてます。呉服屋さんで謝礼でもらったのと芝居で使う下がりという褌とか、資料的なものは保存してますが。

- やはり今日も褌ですか?

もちろん。僕は北海道の真冬以外は、ステテコ・ズボン下は穿かないですよ。
それと着物着るからね。着物着ると一番いいですよ、褌は。
よくズボンやジーンズはいてる人で、褌をはくとどうもごわごわするから何かいい方法ないですかって聞かれるけど、それはないですよ(笑)それがイヤだったら着物着なさい、と。ただし前を折れば可能だけど。そのへんは全部僕のホームページに書いてある。
 

 
 


■褌に興味をもっても、なかなか踏み込めない方も多いと思うのですが、そんな方に励ましのメッセージをお願いします。

まずは僕のホームページ見てください。したくなる人多いよ!(笑)
とにかく躊躇する理由は何もない。逆に理由を聞きたいくらいないんですよ。ただある程度年齢を重ねたほうがいいと思うんですよ。若い茶髪の子が褌してもね。なぜ僕は褌するんだろうっていうのを考えて、そのへんの気持ちをわかってほしいですね。

昔は褌なんて普通だったのにね。日本から褌をダメにしたのはアメリカなんですよ。いくら戦争に負けてもそこまで口出さなくてもいいじゃないですか。そういうことをたまにチクチクっとホームページにも書くんですけどね。

湧水とか、路面電車とか、なくなってみて初めて(良さが)わかるものもあるんですよね。路面電車並に少しは褌も見直されてもいいんじゃないかと。
 

 
MESSAGE FROM INTERVIEWER
 


饒舌な越中文俊さんの熱い語りに、終始圧倒されたインタビューでした。
インターネットと褌…一見ミスマッチに思えますが、褌を愛する多くの方が、このホームページを介して結ばれているんだな、とお話を伺って実感しました。
お忙しい中、取材のお時間をいただきどうもありがとうございました!

■人気ホームページになるために……まとめ
  •  見る人を意識しすぎず、ストレートに自分の思いを伝えよう。
  •  雑誌や新聞のテクニックを参考にしてみよう。
  •  公序良俗など世の中のルールに反しない範囲で、自分のやりたいことをやってよい。
  •  資料を使う時は、了承をもらって出所を明らかにしよう。
  •  写真などを掲載するときはプライバシーにも気をつけよう。
     


 
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